実験室~お気に入りに囲まれる生活を目指して~

「お気に入りに囲まれる生活をする!」と一念発起。自分のお気に入りは何かを探し求めるところからスタートしたブログです。

大木亜希子著『人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした』は私の「読むサプリ」【感想・レビュー】

※当ブログではアフィリエイト広告を利用しています※

 

久々に大木亜希子さんの著書『人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした』を読んだので、これまで書けなかった「感想」のようなものを書き綴ろうと思います。

 

この本は、私にとって「読むサプリ」のようなもので、(心理的に)動けなくなったときにふと読みたくなる存在です。

 

 

昨年の5月に購入してから4回くらい読んでます。そして、毎回泣いてます。

 

今回もボロボロ泣きました。

-

 

あらすじ

あらすじについては、Amazonより引用します。

 

「あ、人生に詰んだ」ある日、駅で突然、亜希子の足が動かなくなった。仕事へ行こうとすると体が拒否する。彼女は元アイドル。芸能界で挫折後、新たな幸せを掴むため、一般企業に就職し、夜は恋活に励んでいた。収入も途絶えた亜希子は、五十六歳のバツイチ会社員「ササポン」が住む一軒家に居候することを決断する――同居生活一年とその後を綴ったノンフィクションノベル!

Amazon『人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした』より引用

 

エッセイのような小説のようなお話です。

 

「ノンフィクションノベル」となっているように、半分実話だと思うのですが、私はアイドル時代の大木亜希子さんを存じてないので、ときに自分を主人公に重ねたりしながら読んでいます。

ひとりの女の子が「再生」するまでの物語

何か歯車が合わないと感じながら生活していたところ、突然「足が動かなくなった」主人公・亜希子。その後、会社を辞めフリーのライターになり……

「何かかみ合わない」「動けない」ときに読みたくなる一冊

私がこの本を読みたくなるタイミングは、必ずと言っていいほど「何か人生の歯車がかみ合わない」と感じながら生活しているときときです。

 

歯車がかみ合わなくて「動けない」と思ったときに読み、「ひとりの女の子」が周りの人に助けられながら「再生」していき、一人の足で立ち、前へ進んでいく姿に勇気をもらっています。

キラキラではなく泥臭く人間らしいお話

「誰かと一緒にいた方が良い」という姉のススメにより「赤の他人のおっさん・ササポン」と同居しはじめ、面白おかしい日々を過ごしていくなかで一気に回復して~という話かと思っていたら大間違い!

 

ササポンと同居し始めたことはスタートでしかなく、そこから迷い、悩み、もがき、苦しみ、喜び、笑い……泥臭くも人間らしい話でした。

 

キャッチ―なタイトルと「元アイドル」という文字から「キラキラしてそう」と思いながら読み始めたのですが、キラキラ要素はなく、一人の女性の心の叫びのようなものを感じました(キラキラしたい欲求は多分に出てきましたが)。

軽めなので自己投影しながら読んでも辛くならなかった

先ほど「心の叫びのようなもの」と書きましたが、重々しいものではなく、読み終わったときには「わーーーーー!」と叫んでスッキリしたような感覚になりました。

 

迷走している様子に自己投影してしまい、読んでいる私はボロボロ泣いているのですが、辛くなるような嫌な泣き方ではなかったです。

 

「少し前を向いて歩きだした」くらいの終わり方も、「無理やり幸せハッピーエンド!」ではなく、すっと受け入れることができ、読み終わったときはどこか清々しい気分になっていました。

 

どこかモヤモヤしたものを抱えている自分が解放されたような、癒されたような。

 

読み終わったときは、まさに「涙活した」という状態になりました。

おっさんの「再生」の物語でもあった

巻末に臨床心理士の方の考察(?)のようなものが掲載されているのですが、そのなかに「おっさんの再生の物語ともいえる」といったことが書かれていました。

 

一定の距離感を保ち、どこかドライな印象を受けるササポン(おっさん)。

 

最初は「いい距離感の素敵な人だな」と思いながら読んでいたのですが、それは少し違い、人と距離を取ることでどこか自分を守っていたのかもしれません。

 

ササポンは自身で引いた人生計画通り、定年後は軽井沢に移住したようですが、一人の女の子と同居したことで、それまでに癒されていなかった傷を修復してから旅立てたのではないでしょうか。

 

 

 

私は、周りの人に助けられてばかりで、誰かを助けるというところまで至ることができていません。

 

いつか誰かに「そっと手を差し伸べる」ことのできる存在になれるよう、いまは小さな一歩一歩を積み重ねながら生きていこう。

 

読み終わり、ボロボロ泣いた後に洗濯物をたたみながら、そんなことを考えました。

 

ではでは。

 

---

日常に彩りを添えるアクセサリー「tsumugu」

---